年頭所感
旧年中は能登半島地震から始まり、8月には南海トラフ地震情報として「巨大地震注意」が初めて発令されたり、日本各地で風水害の被害が多発したりするなど、自然災害の多い日本の宿命を改めて目の当たりにしました。
今年の巳年は、会員の皆様をはじめ千葉会のステークホルダーの皆様、健やかに新年をお迎えになっていることを心より祈念しております。
さて、私共執行部の3年の任期も早いもので残すところ、6か月となりました。新しい体制に円滑にバトンを渡すことができるよう注力することが、今後の最大の使命であると考えております。それでは、第9事業年度を振り返って、課題の解決につながった成果を中心にご披露したいと思います。
【地域の期待に応え、信頼を創出し共鳴する関係の再構築】
千葉会の各委員会・各種研究会を中心に、本部と連携して会務・施策・事業を展開してまいりました。
たとえば、ステークホルダーからの千葉会会員の推薦依頼に対して原則、一般公募を貫き最適な会員を推薦してまいりました。また、会計教育の普及も本部と連携しつつ、“ハロー!会計”のサマースクールを柏地域で開いたり、公認会計士制度の説明会を新たな高校(市川学園市川高等学校)を対象に実施したり、精力的に開催してまいりました。特に、本部主催の制度説明(都内女子高での実施)に対して、県立小金高校で講演した千葉会会員が講師を務めるなど、千葉会が本部事業へ協力する新たな仕組みに参加することができました。
本部や他の地域会にも適時に紹介してきた千葉会の地域貢献活動として、次の3つの取組は特徴的な活動・成果でもあります。
- 千葉市との連携協定の締結により、指定管理者選定・評価委員(千葉会推薦会員)としての財務諸表分析業務を有償化して頂いたこと。このことは、まさに公認会計士法第2条第2項業務(財務分析等)に対して、千葉市から高い社会的評価を頂いたことで、会員の推薦業務を円滑に進める大きな一歩となりました。
- 千葉大学法政経学部との連携を強め、千葉会による監査論の寄附講座を開設し、会員が講師となって、将来の公認会計士を目指す学生を含め、継続的に講義を実施することができるようになりました。昨年10月から11月まで7人の会員(千葉大学出身者3名含む)により、監査論を中心に講義を展開してまいりました。毎回の講義の前後で、学生からの熱心な質問があり、丁寧に対応しています。
- 千葉県教育委員会との連携により、教員研修の一コマをいただき、県内の公立中学・高校で、新学習指導要領の解説に沿った会計教育の授業が教員によって実施できるよう、千葉会役員による研修会を前年に続き開催しました。また、新年度は、千葉会会員が母校を訪問してキャリアデザイン講演を復活することができることを期待しています。
【会員やステークホルダーとの対話・会員ニーズの把握による会務運営】
千葉会の会員を対象とする会員ニーズ調査を既に3回実施してきました。その結果の中から会員のニーズをくみ取り、新規事業の企画なども実施しました。特に、福利厚生委員会が企画した「ワインセミナー」には、20人の会員等の参加があり、今後もこのような会員懇親企画が期待されます。また、恒例の「千葉会一日CPD研修会」の開催(2回)や千葉会新規加入会員への「ウエルカムガイダンス&パーティ」等を実施してきました。
千葉会会長や副会長など役員が、地域のステークホルダーの皆様と様々な会議やイベント(周年事業)等で対話を行い、相互理解を深めることもできました。
【サステナブルな組織の成長、事務局体制の強化・負担軽減、役職員の人材育成】
役職員一丸となって千葉会組織をサステナブルにするためには、役職員の職責を再度明確にすることが大切であると考えます。特に役員は自らの意思で役員の職責を果たすこととなるため、正しい意味でボランティア精神(ラテン語で「自らの意思による奉仕」)や千葉会発足時の記念講演で講師(丹羽宇一郎氏)が述べた「ノブレス・オブリージュ」(高
い社会的地位には義務が伴うこと)を心に刻んで会務を進めていただくことを願っています。
千葉会事務局では最小限の人員で、様々な会務・施策・事業展開に役員を最大限サポートしていただいております。そのためにも、長年の課題であった給与細則の改定に基づき、職員の待遇面での改善を実施いたしました。
最後に、会員・準会員の皆様のご健勝とご発展を祈念し、また、紛争や飢餓、自然災害等が今年こそは終息する世界を強く願い、新年のご挨拶とさせていただきます。
2025年1月
日本公認会計士協会千葉会
会長 川口 明浩