年頭所感
新春のお慶びを申し上げます。
今年の干支は「辰(たつ)」。京都最古の禅寺である建仁寺・法堂の天井画「双龍図」(小泉淳作画伯)は阿吽の対称画で圧倒的な存在感です。12の干支が巡ることで前回の「辰」年はどうだったか、今年1年は希望に満ちた年に!と思いを馳せてみるのもこの時期の楽しみです。干支の循環性との連想では、洋の東西を問わず、「パリンドローム:回文配列」と言われる構造があり、古今の偉人の業績にもそれを見ることができます。例えば、近代科学の祖でもあるルネ・デカルトは『方法序説』の中で科学的分析手法としての4原則を提示しました。公認会計士の独占業務である「監査」の証明手法にも通じる「全体から部分へ」・「最小単位から全体総合へ」という流れも「回文構造」のひとつと思われます。この「パリンドローム」はDNA構造や古くはダビンチの絵画やバッハの旋律などにも使われる不思議な手法です。
さて、千葉会の役員体制は3年ごとに新体制が巡ってきます。現在の役員体制も丁度、3年任期の半分が過ぎました。そこで、2022年3月に現在の役員に説明しました[次期会長としての方針説明]のエッセンスを引用した後、同じく【会員の多様性に基づく施策・取組の展開】(以下「マニフェスト一覧」と言います。)で、これまでの実績と任期後半に向けての方向性を述べることとします。
[2022年3月時点:今後3年間の方針説明]のエッセンス
- 次期会長への選出時に示したマニフェストをまとめた一覧表の内容が今後3年間の主要な指標の一つになること。
- 社会経済環境の激変の中で、ステークホルダーから真に信頼される千葉会を共に創り上げていくこと。
- 会務での会議中は客観的根拠に基づいた責任ある発言を期待し、役員間の切磋琢磨により、クオリティの高い会務運営に努めること。
- 会務は“クールな頭脳”、業務への取り組みは“熱いこころ”で。
- 会員のために真摯に奉仕する精神(ノブレス・オブリージュ)を遵守すること。
- マニフェスト一覧には、5つの施策と17の取組を掲載しました。17の取組のうち、既に達成・取組の開始は11項目ですが、残り6項目はこれから後半に向けて取組むこととします。
- マニフェスト一覧のうち、既に達成・取組開始した主要な項目を次に掲載します。 (1)組織の信頼性確保・役員の会務実施のクオリティ向上としては、前期からの懸案でした同好会ガイドラインの改正などの一連の改革を福利厚生委員会、
- マニフェスト一覧のうち、これから取組むべき主要な項目を次に掲載します。 (1)会務・組織の縦割り等、既存組織の見直しを行い、類似委員会・研究会の見直しや地域ごとの部会的なイベントの企画を検討し進めて参ります。
【マニフェスト一覧】
総務会計委員会の担当役員のご努力で成し遂げました。
(2)2022年11月から初めて実施している会員ニーズ調査の結果に基づき、施策の展開にしっかりした根拠を見いだす1歩となり、会務運営に会員の声を効果的に
反映することができるようになりました。
(3)会計基礎教育では、地域会ならではの活動展開として、千葉県教育委員会と協働し、卒業生会計士の母校訪問・金融教育講演会及び教員への研修を実現
しました。
(4)定期総会等での研修会には、会員の「一体的能力開発」を進めるためにも外部有識者の魅力ある講演の受講機会を拡大しています。
(5)定期総会等の懇親会ではステークホルダーのトップの方々のご臨席を得ており、会員の皆様が直接お話する機会を設けております。
(2)ステークホルダーからの推薦依頼案件の魅力アップのために、推薦業務内容の分かり易さ・魅力の理解度アップや報酬等の待遇改善の更なる実現を進めて
いきます。これらの取組は現在、成果が上がりつつあり、今後、適切な時期に公表する機会を作って参ります。
昨年に引き続き、会員増加による会費収入の確保と新規財源の獲得を実現して、会務サービスの更なる向上のため、成果を上げてまいります。
最後に、会員・準会員の皆様のご健勝とご発展を祈念し、また、戦争や飢餓、自然災害等が終息する世界を強く願い、新年のご挨拶とさせていただきます。
2024年1月
日本公認会計士協会千葉会
会長 川口 明浩